子どもの学びを変える前に、まず大人が学んでみる

2026年9月19日(土)、横浜創英中学・高等学校にて、学習スタイルワークショップ「大人から始める学びの個別最適化」を開催しました。

横浜創英の先生方に加え、全国から先生や教育関係者の皆さまにもご参加いただき、学校の内と外を越えた、活気あふれる学びの場となりました。

まず、大人自身が学び方の違いを体験する

今回のワークショップで大切にしたことは2つあります。

一つは、子どもたちの学びを考える前に、まず先生自身が自分の学び方を知り、他者との違いを体験すること。

もう一つは、学校の内と外、立場や経験の異なる大人たちが混ざり合い、対話を通して学ぶことです。

参加者の皆さまには、事前に学習スタイルのアセスメント「Self-Portrait™(セルフポートレート)」を受けていただきました。

当日は、その結果を手がかりに、気質・優位感覚・興味関心・学習環境・才能という5つの観点から、自分自身の学び方を振り返り、他者との違いを体験していただきました。

同じ環境で学んでいても、一人ひとり学びやすい方法は異なります。

自分にとっての「当たり前」が、他の人にとっても当たり前とは限りません。

まず大人自身がその違いを体験することが、子どもたちの多様な学びを考える出発点になると考えています。

対話を通して、会場の温度が上がっていく

ワークショップでは、横浜創英の先生方と学校外から参加された教育関係者が混ざり合い、対話を重ねました。

対話が進むにつれて会場の温度が上がり、笑顔が多く見られるようになりました。

休憩時間にも、先生方が診断結果を見せ合いながら楽しそうに語り合っている様子が印象的でした。

参加者からは、次のような感想をいただきました。

「とにかく楽しかったです!同僚との対話の機会になったことがとてもうれしかったです!」

「他校の先生方との出会いがあり、研修ではとてもリアルな声が聞けてよかった」

学校や立場を越えた多様な大人たちが、互いの経験や考え方に触れながら学び合う。

こうした体験は、学習指導要領が目指す「主体的・対話的で深い学び」を、大人自身が考える機会にもなったように思います。

学習スタイル診断の可能性と限界

一方で、現場の先生方からは鋭い問いも寄せられました。

「学習スタイルによって、かえって子どもを固定的に見てしまうことはないか?」

とても重要な問いです。

学習スタイル診断は、子どもを分類したり、特定の学び方に当てはめたりするためのものではありません。

一人ひとりの可能性を理解し、学び方の選択肢を広げるための手がかりです。

だからこそ、ツールの可能性だけでなく、その限界についても理解し、子どもたちの学びを固定的に捉えないことが大切だと考えています。

今回、現場の先生方からいただいた問いは、今後の教師研修や授業づくりを考えるうえでも、重要な示唆となりました。

「学びとは何か?」を捉え直す

今回、参加者の方から印象的な振り返りをいただきました。

「学びとは何か?」という問いに対して、研修前には、

「生きることそのもの―新しさ(脳が喜ぶこと)に触れた時に起きる」

と考えていた方が、研修後には、

「生きることそのもの―安心できる環境で、新しさ(脳が喜ぶこと)に触れた時に起きる」

と捉え直されたのです。

「安心できる環境で」という言葉が加わったことが、とても印象的でした。

この方は、学習スタイル診断を一つのツールとして、生徒の心理的安全性を保ちながら、安心して学べる環境をつくっていきたいという思いが強くなったとも振り返られています。

他者との対話や体験を通して、自分の考えが広がり、深まっていく。

そのような学びの一端が、参加者の振り返りにも表れていたように感じます。

皆が違うことに価値を持つ学校へ

ワークショップ終了後、横浜創英中学・高等学校の本間朋弘校長から、次のようなメッセージをいただきました。

「学校が皆に同じことを求める場所から、皆が違うことに価値を持つ場所に変わるには、大人も子どもも同調圧力やバイアスを捨てることが極めて大切」

多様性の包摂と学びの質の向上を両立させるためには、他者理解と個別最適な学びをつなげることが欠かせない、というお考えも共有いただきました。

一人ひとりの違いを理解し、その可能性に目を向ける。

これは、マインドフルラーニングが大切にしている理念とも重なります。

現場の問いを、これからの実践へ

今回、私自身も先生方との対話から多くの問いをいただきました。

学習スタイルをどのように伝えれば、先生方が日々の授業や子どもとの関わりに生かせるのか。

現場からいただいた問いを、今後さらに言語化し、体系化していきたいと考えています。

また今回は、10年前から学習スタイルを家庭教育に取り入れてこられた福井牧子さんにも、実践を共有していただきました。

企画段階から一緒に場をつくってくださった横浜創英の先生方にも、心より感謝しています。

子どもたちに多様な学びを届けたいなら、まず私たち大人が、多様な人と学び合うことから。

今回のワークショップを通して、改めてその大切さを感じました。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。


主催:株式会社マインドフルラーニング
会場:横浜創英中学・高等学校
開催日:2026年9月19日(土)
講師:高橋有希子(マインドフルラーニング代表/Learning Success™ Master Coach)

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