2018年3月1日(木曜日)田園調布 開催
「学びの凹凸のある子育て相談Q&A」学びの凹凸がある、、というと読者の皆さんはどんな様子をイメージしますか?ディスレクシア(読字障害)=読みの困難さ、ディスカリキュラ(算数障害)=算数推論の困難さ、ディスグラフィア(書字表出障害)=書きの困難さ、を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。来週の8日開催の講座では「一芸に秀でた子どもの子育て相談」を開催しますが、実は本日のトピックと来週のトピックは表裏一体で、捉え方の違いという考え方もあります。
今日の講座では幼いころから言葉を発するのが遅かった、言葉の指示は理解が難しいものの、書いたものを見せると理解ができる、概念を理解するのが難しい、などの特徴を持つ子どもの話になりました。私があえて「特徴」と捉えるのは、どのお子さんにも「強み」があるからです。例えば前者のお子さんはアニメや舞台演出に長けていてどの照明さんの舞台が素晴らしいかなどを語れる高校生だったり、将来構成作家になりたいと思っています。また後者のお子さんは、努力家でコツコツときれいなノートづくりをするのが得意だったり、家では夜を徹して編み物をしたり、お料理番組でお野菜の保存のコツなどをお母さんに教えてくれる小学生です。古生物学者になりたい子どももいます。学校の「勉強」という評価につながらない才能かもしれませんが、将来一人立ちして生きていくには好きなことがわかっていてそれが得意だと自分で知っていることは大切なことなのです。
私たちは子どもがこの世に命を授かった時、一人でおっぱいを飲めたとき、初めて発した言葉に感激し歩けば手をたたいて喜びました、、どんな一つの進歩でも「素晴らしい!」と思い「この子は天才じゃないか!」「もしかしてこの子は子役になれるのではないか!」と思って良い面を見て、可能性を信じて育ててきました。集団生活が始まると初めて「外」の人に自分の子どもが「評価」をされるようになります。「時間を守ることができません、じっと座ってお話を聞くことができません、お隣の子にちょっかいを出します」、、、。できないことに注目が行き、できないことを「矯正」されていくのです。それではお母さんも子どもも窮屈ではないでしょうか。
アメリカでは「ベル曲線」という1733年にアブラハム・デ・モバイバーによって発見された概念をご存知でしょうか。「これは自然界に存在するもの、あるいは総人口に対して統計を取り、結果をグラフにするとグラフはベルのような形になるというものです」(すべての子どもの成功 P48 より引用)この曲線は平均より下とか平均、それより上、という分類を行われるための手段としてアメリカでも日本でも学校に根強く残っています。日本でいうと「偏差値グラフ」のようなものなのですが、平均値が一番多くて膨らみ、成績が良い子と成績が振るわない子が少数いるような、「ベル型のカーブ」になるような指導が「よい」とされています。
実際に私の子どもが経験した話です。分かりやすく楽しく英語を教えることが得意な社会人から教諭になった先生の授業が評判でした。子どもたちが高い点数を取るので成績の「5」が多数出たところ、学校から「テストをもっと難しくしろ、5をたくさんつけるなと」指導が入ったとのことでした。つまりクラス運営において全員が100点を取るような教え方やテストをしてはいけないということです。つまり全員ができる子であるとそのクラスで使われた教材が採用を見送られたりするのです。そんな点数主義に自分の子どもたちが評価をされ、成績の良い子どもがすべてのことにおいて「できる子ども」だと評価されるのは残念なことです。学習スタイルを学ぶ親たちは子どもの「出来ないことより出来ること」に着目して子どもの自尊心を守りたいものです。
最後に学習スタイルの「気質」についてお母様方に簡易の診断を受けてもらいました。お互いの「学びの気質」が違うことについて体感していただき、それをもちかえり子どもの学び方を尊重できれば子どもは学ぶことの喜びを見出すことでしょう。
今日のご感想から:
- 生きたいような道に進めるか心配ばかりしていたが、お話をして視野が開けた気分がした。
- 情報をたくさんもらって学習スタイル診断を受けて子どもの強みを把握したいと思います。
- テーマが絞られていて少人数だったので話しやすかったです。様々の情報を得ることができました。
- 今後もカフェ講座を続けて行ってほしいです。
次の講座は3月8日木曜日「一芸に秀でている子ども、ギフテッドの子育て相談Q&A」、22日木曜日は「大学受験サポート体験談と子育て相談Q&A」です。お申し込みをお待ちしています。お申し込みはこちらまで