今年は4年目の伴走になる鹿島教育グループ。
Learning Communityというコンセプトで、サポート校や本校の先生方を中心に、生徒との関わり方についてお伝えしてきました。
1回目は「話を聴くこと」、2回目は「質問をすること」、そして今回のテーマは、聴く・質問の先にある「伝える」こと。この3つを駆使することで、対話の質を根本から変えていきます。
相手のためを思って「伝えること」でも、受け取ってもらわなければ意味がありません。
「エクササイズの通りに話すことで、相手の心に届きやすいと感じた」
「WhyではなくHowで。“なぜできないの?”ではなく、“どうしたらできる?”と聞く」
「つい責めるようなメッセージになってしまう時は、自分に余裕がない時だと気づいた」
「生徒の行動を責めるのではなく、自分の感じたことを伝えてみたい」
研修中にそんな声が聞こえてきました。
自分の感情や願いを主語にして誠実に伝えること。それが、関係の質を変えていく第一歩になります。
「伝える」ためには、まず“ワタシ”が今何を感じているのか、その感情と向き合うことから始まるのです。
それでも、現場にはリアルがあります。
そうは言っても、スクーリングに来ない、課題を提出しない。「これを逃すと進級に影響するのに…」という愛情があいまって、つい強い口調になってしまう。「私は心配しているよ」だけでは動かない。
そんな現場の生の声も聞こえてきました。
私の気持ちを伝えれば一発解決——
そんなコミュニケーションはあり得ません。この人は自分の味方だと思ってもらえる関係があり、その上で、対話のラリーを重ねていく必要があるということです。また、伝える時には目的をもつこと。「何を伝えたいのか」を見失わないということも大切です。
「これを伝えることで、私は何を伝えたいのか?」
という、自分自身の肯定的意図をキャッチすること。これは、私自身もまだ修行中ですが、どんなに訓練していても、正直、難しいです。
言葉は手段ではなく、想いをつなぐ橋。焦りや不安の中でも、自分の中にある“伝えたい本音”を見つめ直す。その誠実さが、生徒との信頼をゆっくりと育てていくのだと思います。
次回に向けては、「他キャンパスの実践を共有したい」「地域の特性や生徒との関わり方を知りたい」
という声も多く寄せられました。
次回は座談会形式で、各地の先生方が現場の知恵を持ち寄り、“Learning Community”として学び合う時間をつくります。いつも信頼して機会をいただけること、本当にありがとうございます。
進路相談で鹿島グループに進路が決まったと報告を受けると、つい私はこう言ってしまいます。「コーチングを学んで、実践しようとされている先生が多いから、いいですね」と!!