大学入試改革が2020年から始まるといわれていますが、20年間多様な学びの高校生たちのサポーターとして、また2018年に大学受験をした息子を持つ母としては「既に入試改革は始まっている」と思わざるを得ません。まだまだマークシートで暗記中心の科目を受験科目として出題している大学学部は多数あるものの、一部の気が付き始めた大学では答えのない問題を出題し始めていたからです。一人の命と5人の命を比較した「トロッコ問題」。「ある人を助けるために大勢の人を犠牲にするのは許されるか?」という倫理学の思考的内容の一部が国際教養系の大学で出題されていたり、何枚もの絵を見て一枚を選び、自分で創作文を書き、伝えたいメッセージを明記するような小論文が慶応大学で出題されていました。問題を「発見」し、「解決」し、論理的に説明することができる、、というのが出題の意図だと思われます。このような問題が出題されている背景には、国籍や人間を超えて多様な人やモノと働き始める子どもたちの生きる力を図ることが見られます。
「不登校やホームスクーラーのための居場所作り」をされているサイエンス作家の竹内薫先生にお話を伺う機会に恵まれています。先生曰く、アメリカではまさに今、税理士や会計士が、人工知能によってどんどんと職を失っているとのこと。そして日本では銀行が抱えている社員の配置換えに忙しく、多様な企業から「AIの時代にどのように生き残るか」という切り口の勉強会や講演会を依頼されているようです。企業は危機感を持っているのに、学校教育だけが何十年も変わらないまま、危機感がないまま、暗記をさせて成績をつけているともおっしゃっていました。AIのようなコンピューターの得意なことは「暗記」。人間が得意でコンピューターが得意でないこと、、というのはコミュニケーションを介したやり取り。チームワークで進める「プロジェクト」は人間しかできないそうです。忖度することも人間しかできない分野なのではないでしょうか。AIの時代に生き抜く子どもたち。どんな大人になってほしいですか?どんなふうに育てば子育ては「成功」だと思いますか?子どもの一番身近にいるお父様お母様の意識一つで子どもたちの在り方が変わるような時代になります。