≫ 学習スタイル(LS)教育事情 vol.1から読む

 

シリコンバレー式の育児を実践:
幸いなことに第一子を授かって6ヶ月後には米国最新の「子どもの長所を見つけて伸ばす」という考えに出会っていましたので、勉強フォーカスというよりはまず子どもが子供らしく伸び伸びと育てるような環境作りに気を配りました。都会の核家族の共働きで育てていたので、親以外のいろいろな大人の考えや愛情に触れてほしいという願いは保育園で叶えることができました。体を使うことが大変好きな子ども達だったので(後に学習スタイル診断でもそのような傾向でした)泥だんご作りや竹馬など思う存分体を使って学んでもらいました。子どもが3人になった頃、夫の転勤で米国に住むことになり「シリコンバレー式の教育」を実践することもできました。お勉強以外に語学、運動、芸術に触れることを意識しました。お陰様でもうすぐ大学生の長男長女は、英語、運動、ピアノに長けています。もちろん紆余曲折はありますが、自らの得意分野を知っている素直で幸せな子どもに育っていると思います。

学習スタイル別コミュニケーションの講座では:
タイミングというのは突然やって来ます。これまでは勤務先の保護者向けに学習スタイルやコーチングの考え方を含めたワークショップスタイルの保護者会を年に4回ほど行なっていました。通常の学校の保護者会のように伝達事項はほぼなく、学びと仲間作りと気持ちのシェアの場を提供していました。その様子をSNSで知ったお母さんたちのグループから講演依頼や講座依頼いただくようになりました。東京、神奈川、京都まで、始めて僅か4ヶ月で広がりました。講座ではまずは保護者自らの学習スタイルを把握してもらい、自分の子どもにどんな大人になってほしいか、子育ての成功とはどんなものか、を考えてもらいます。わたしが話して参加者の皆さんが聴くという一方通行のスタイルではなく、ペアワークやグループシェアが多い講座で、2時間があっという間に経ちます。「目から鱗だった」「自分のやり方が子どもに通じる訳ではないと納得できた」「他の参加者も全く同じように悩んでいることがわかって励まされた」など満足度のかなり高い感想を頂いています。この講座はお呼び頂ければ日本全国、世界各国でも開催致しますのでお気軽にお問い合わせ頂きたいです。一人で抱え込むより、皆で楽しく子育てをするためのお手伝いをしています。

米国発最新教育事情 子どもの強み探し:
わたしの専門は「多様な学び」「不登校」「ホームスクール」「AO入試」「プロジェクトベース学習」「タイプ別学習スタイルコーチング」と多岐に渡っておりますが「学校」を楽しんでいるお子さんを持つ保護者の皆さんにも、「学習スタイル」という概念は知っておいていただきたいです。すぐに家で実践ができますし、親子共々に楽しく幸せになります。子どもが愛らしく感じるかもしれません。この度、20179月最終週に渡米。トレーニングを受け「日本初のラーニングサクセスファシリテーター」の認定をいただきました。ラーニングサクセスインスティチュートのあるカリフォルニア州のベンチュラに実18年ぶりに訪れ創始者のマリアエマ とヴィクトリアと再会しました。最初の訪問時の写真が飾ってあり20代の頃の私はその他大勢でした。一つのことを諦めずに信じ続けて18年。今に至ります。ファシリテーターの講座の中での初日の発見は、アメリカではもう「学習スタイル=learning style」という言葉を使わないことです。その代わりにPower traits(強み探し)のアセスメント、と呼び名を変えていました。ひと昔まえに流行ったストレングスファインダーと着目点は似ています。呼び方が変わった理由ですが、「学習スタイル」(以下、LSという意味が、アセスメントの中の一部の優位感覚だけを指しているという議論が米国でなされたためのようです。ハワードガードナーの多重知能やリタダンの学習スタイル、そしてマイヤーズブリッグスの理論(アセスメントの興味の部分を採用)の3の考えを一つにまとめたものがLSです。それぞれのアセスメントは受けるだけで高額なのでマリアエマとヴィクトリアが一つにわかりやすくまとめて世に出したのが1980年代です。余談ですが、最近のマイブームがアマゾンプライムの米国ドラマ見放題でした。寝る寸前に1日のご褒美としてい英語のシャワーを毎日楽しく浴びていたおかげもあって滞在中の研修は特に創始者の二人との会話には苦労していません。子どもが動画を見すぎていても何かにつながるということを体で証明した気分でした。

LSを利用するための心構え:
LSアセスメントの結果5つの観点はこのHPの他の項目(子どもの学習スタイルを知ろう!)でもワークショップでもご紹介しています。「気質」「優位感覚」「才能」「学習環境」「興味」です。まずはご自身の診断をしていただきます。自分をしっかりと知っておくことで相手のことがよく理解できるようになります。ワークショップや講座では参加している大人の皆さんの振り返りから入ります。子供の頃の学校でがっかりした体験、もっとこんな風に学びたかった、など、振り返ったあとのつかの間気分は悪くなるのですが一度振り返っておくとよいでしょう。LS診断は「この結果は自分の全てで、変えることができないもの=硬直マインドセット」的な捉え方はしないで「柔軟にやればできるに違いない!」と良い点に注目したフィードバックをすること=しなやかマインドセットを育成するものであること。(キャロル ドゥエックの「やればできるの心理学」は有名ですね。)キャロルの理論は正しいけれども、柔軟な思考を目指すための指標がなく、LS診断と融合すれば最強だと創始者のお二人はおっしゃっていました。

子どもへの声かけ:
言葉の言い換えは開催しているワークショップでも最も盛り上がる講座の一つです。「多動な子」は「やりたいことが沢山ある子」、「忘れんぼさん」は「マイペース」だとか「自分なりの優先順位がある」。「言うことを聞かない」は「自分の気持ちを知っている」「自己主張ができる」。「やる気のない子」は「今はエネルギーをだすタイミングを見計らっているんだね」「力を溜めているんだね」と言ってみる。読んでいるだけでわくわくしませんか?子供の見方が変われば声かけが変わります。声かけが変われば子どもが自分らしく幸せになります。幸せになって悪いことがあるでしょうか?もう一つ声かけの際に有効な考え方をご紹介します。それはproblem solving=「問題」に焦点を置くのではなくてsolution focus=「解決」に視点を置くマインドを持つことです。whyなぜに注目すると相手は非難されたと思ってしまいます。「whyなぜ」は英語の中で最も人のモチベーションを下げる言葉だと言われています。解決に視点を置いた声かけとは一緒にどうやってこれを解決しようか、、、と「Howどうやったら」という声かけをすることです。WHYHOW。同じ質問文でも言われた方のモチベーションは180度違うものになります。

気質ごと、才能ごと、優位感覚ごとの学習例:
通常アメリカでは数学と歴史と作文=Writingを苦手な科目だという子どもが多いです。理由は、学校が通り一遍の学習方法しか教えないからです。スペルが間違えていたらダメ、作文の構成がなっていない、暗記しないといけない年号が山積み、、、これらの教科を好きになるのは難しそうです。それでももし、学校や親が子どものLSを把握していたら、学びはどんなものになるでしょうか。例えば数学の九九ですが、音で覚えられない視覚優位の生徒には添付の写真のような「64歳の誕生日を祝っている雪だるま」と覚えてもらってその絵を部屋に貼る、、、ということで九九を克服した例がありました。暗記なら聴覚優位の子どもには本を読んで聞かせあげたり自ら声を出して読むことです。何度も書かなくても覚えられる視覚優位の子どももいます。概念が分かりづらい子どもには絵や文字でマッピング図を一緒に書いてあげると良いでしょう。その子の強みがわかれば人生が楽しいものになるだけでなく学力も上がることでしょう。アメリカにはそれぞれの得意な方法で学ぶことができるよう、教材の種類や選択肢が豊富です。ご要望があればいつの日か米国の優位感覚別の教材を日本にご紹介できればと考えています。

LS診断の正しさ?:
その人の強みを認めることや気が付くことを”celebrate one’s strength” と言います。お祝いするという意味もある単語なので言われるとモチベーションが上がります。つまり診断をして強みに着目すれば「お祝いするような気分になる」のです。アセスメントの説明の際の声かけですが、結果が正しいとか正しくない、はありませんので、子どもには「この結果はあなたらしい?does this sound like you?」という声かけを随時していきます。自分とちょっと違うような納得ができない結果の場合は、テストを受けた時の心理状態だったり、自分の期待や親の期待が含まれて返答をしてしまったり、子どもの頃の自分はそうだったけれど今は眠ってしまった才能だったりするそうなので、焦らず優しく包み込んであげると良いでしょう。数値が低い結果についてはあまり言及することなく、高いものについて説明します。

 

あなたは子どもの伴走者:
スポーツ界ではよく「coach=コーチ」という名詞を耳にします。私はLSを通して「親や子どもの育成に関わる全ての大人をコーチと呼ぼう」と提案しています。コーチ、とはみなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか?スポーツのコーチは試合中に指示命令をしているのでしょうか?コンディションが悪くてうまくプレイができない選手の代わりに、試合に出場したり走ったり泳いだりするでしょうか?外部の講座や保護者の皆さんにはコーチとは「子どもの人生を一緒に走る伴走者」と伝えてきました。コーチは他に英語では「Champion 励ます人=チャンピオンする」という動詞で使うこともできるそうです。そのほか、サポーター、メンター、チアリーダー、パートナー、アライ、と言った表現があります。あなたは子どものために子どもの人生を走る競技者になりたいですか?それとも!!

 

≫ 続きを読む「子ども一人一人の個性を活かした教育を導入している学校例」

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