
次期学習指導要領に、特定分野に特異な才能のある児童生徒への「個別カリキュラム編成の特例制度」が盛り込まれる見通しが出てきました。いよいよ、というより「やっと」かもしれません。
2030年度以降、学校現場で段階的に実施される予定とのこと。
子どもたちが通っていた現地校では、定期的な学力テストによって「STARプログラム」が適用され、高得点の子はどんどん学べる仕組みがありました。
日本に帰国してオルタナティブ教育の場で出会った子どもたちは、才能を持ちながらも「画一教育」が子どもと家庭を縛り、で二次障害を発症し、「得意」と「苦手」の境界がわからなくなるケースもありました。個別学習計画をベースにコーチング伴走しても支えきれないこともありました。
90代の先輩コーチから「かつての日本は、できすぎる科目とできなすぎる科目があってもそうした個性に寛容な社会だった」と聞いたことがあります。欧米では一般的な、「飛び級制度」や、18歳に限らない大学入学制度が、いまだ日本にはほとんどありません。千葉大学の一部学部で若干例外的に若年入学を受け入れていた経緯を知っていたからこそ、「学ぶ機会の幅」の重要性をずっと感じていました。
今回の学習指導要領改訂(2030年度から予定)でようやく世界標準に近づく一歩が示されたのは喜ばしいことです。
一方でこれまでの制度の下で学んできた子どもたちや、私たち大人もまた「主体的・自律的に生きる力」を取り戻す支援や学び直しが必要なのだと思えてなりません。多様な特性に応じた学びを、地域や学校というレイヤーを越えて支える仕組みへの転換を、心から期待しています。
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