「救われた気持ちになりました」

学習スタイル診断を受けた親御さんからこんな言葉がよく発せられます。 そしてそのお子さんたちはWISC-IVやKABC-IIなどの発達検査を既に受けていて、試行錯誤をしていることもあります。最初にお伝えすると、それらの発達検査を決して否定するつもりはありません。むしろ、発達の凹凸がある子どもや大人だけが対象だけでなく、自己理解のためにもそれらの検査は一般的にも気軽に受けられるようになればと考えています。実際のところ、学習スタイル診断と発達検査の要素を取り入れたサービスを提供するべく準備中です。

なぜ学習スタイル診断を受けると「救われた気持ち」になるのか、まずは発達検査の特性を説明します。WISC-IVは、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度、の4つの分野のばらつきをみる「知能検査」の一種であり、平均値からどれだけ得意か(点数が高いか)、不得意か(点数が低いか)と、その4分野の点数差で発達の凹凸を見極めます。

KABC-IIは子どもの知的能力を、認知処理過程(考え方の癖)と基礎学力の習得度の両方の面からみるものです。どちらの検査も、子どもの知的発達の様相を多面的に把握することができ、それを子どもの指導・教育に活かすことを目的としています。その一方で、解説者による説明が難解であったり、著作権等の関係により結果用紙をもらうことが出来ず、口頭説明だけで終わってしまうこともあり、具体的にどの様に子どもと関わったら良いのかが分からず、困ってしまうこともあるようです。

学習スタイル診断は、前回の「学習スタイル診断と他の発達検査との違い」の記事の中でも紹介したように、今のお困りごとを診断結果を用いて対話、コーチングで解決していくということが大きな特徴です。また「基準」とか「平均値」という考え方を排除した「絶対評価」的な診断で、子どもの得意を見極めて強みを伸ばすために、まずは興味関心に着目しようという考えなので、「救われた気持ちになりました」という言葉をいただくのだと考えます。 誰かと子どもを比較するのではなくて、子どもを等身大に観て、関わってみませんか?子どもがどんな興味を持っていて、どんな学び方の特徴があるか、親子の違いは何か、知ることが第一歩です。