ソクラテス『自分自身が無知であることを知っている人間は、自分自身が無知であることを知らない人間より賢い。』

「こどもかいぎ」という2022年の夏に公開された映画を鑑賞する機会をいただきました。

子どもたちが「かいぎ」をする保育園を1年間に渡って撮影したドキュメンタリー映画です。

「哲学対話」を年長さんを対象に実施している保育園のお話で、

先生が「ファシリテーター」として子どもと関わっている声かけや、試行錯誤が伝わってきました。

子ども達からは、自由な「問い」が飛び交い、素直で純粋な意見が新鮮でした。

最初はなかなか言葉を発しなかった子どもが、時間をかけて心理的な安全性を感じた時に突然言葉を紡ぐ様子は正に「良い悪い」のレッテルを貼らない対話のパワー。

喧嘩をするとPeace Tableで子ども同士が自分の気持ちを伝え合います。

それは決して解決のためにするものではありませんでした。

対話によって気持ちを共有することで、自分の気持ちの整理がついたり、相手を理解しようという気になり、助け合う様子が見られる、プロセスそのものでした。

映画の中のキーワードは、

・子どもが自立するために大人が引いてみる、何をしようとしているか理解に努める

・年長さんと0歳児の交流は、人の役に立つことを早いうちから学ぶきっかけになる。

それは自己重要感や自己信頼感につながる。

個人的には、この年齢の子ども達の様子を目の当たりにするのがとても久しぶりで、懐かしく親としての気持ちにもなりました。

同時に我が子たちも3人とも保育園育ちですが、「こんな素敵な体験をさせてあげられていただろうか」、とチクリとした気持ちも。

この映画は、「理想だ」と思うものの、それではどうやればいいのか?の「How」の部分で立ち止まる方もいるようにもおもいます。

その時は、最初のソクラテスの言葉に戻りましょう。

『自分自身が無知であることを知っている人間は、自分自身が無知であることを知らない人間より賢い。』

自身が学び続けること。学ぶとは気づくこと。

2024年も引き続きセルフアウェアネスを高めていきたいと強く思うきっかけとなる時間でした。