北海道:層雲峡滞在8日目
インフィニティ国際学院 中等部の「包括的性教育」の授業で旭山動物園に行ってきました。
旭山動物園は、存続の危機になり15年ほど前に大改革をして年間300万人の入園者を誇るようになりました。
今日も月曜日だというのに休日並みの人手で、あちらこちらから韓国語、英語、中国語、等の言葉が聞こえてきました。
足を踏み入れてまず感じたのは動物に対する「愛情」です。
動物の展示の前には必ずスタッフの手書きのイラスト入りの説明文や
重さ、大きさ、など体験できる仕掛けがいくつもありました。
アザラシのエサやりでは、飼育員が「アシカとアザラシの違い」についてのトリビアを披露。
「おしりを向けたら逃げてください。糞尿が飛んできます」の看板もあちらこちらに設置されていて
何かと「気が抜けない」動物園でした。
午後からは園長の坂東元さんの案内でニホンザルとペンギンとライオンの説明を受けました。
例えばニホンザルのスペースにはイノシシが2頭一緒にいるのですが、その理由をこう説明していました。
「相性がよくなくても嫌いでもお互いにリスペクトしあっている。単一よりも他の動物が共生していたほうが時にはお互いのためになることがある」
獣医でもある坂東さんは動物園に来る前は、檻の中に閉じ込められていて「かわいそう」だと思っていたそうです。
その「原罪を背負って」、ではどんな役割があるのかを多面的に考えてきたようでした。
生き物が絶滅する仕組みと一夫多妻制度については目からうろこ。
エコハウスがスズメの巣作りを阻んでいてスズメが減っている話、
「多少のCO2が出たっていいから、自然の生態系に優しい家づくりをしてほしい」や
森の中のログハウスにキツツキがきて穴が開いた相談を受け、
「元々の生態系がある中に家を建てたら共生するべき。キツツキを排除するのではなく、穴が開いたから壁を張り替えた、そういう風に考えて欲しい」、とおっしゃっていました。
最後には「日本人はハエにでさえ愛情を感じる人種(ハエが手をする足をする)など、色々なものに神を感じ大切にしてきた。
そんな感情を大切にする人種なのに欧米の合理主義が入ってきて、分断されてしまってる。日本人にはもっと自信を持ってほしい」と話していました。
動物が「かわいい」とか「怖い」とかそれ以上の社会的、環境的、生物的視点が広がった時間でした。
園内を回り切れなかったのでまたじっくりと訪問したいです。
旭山動物園は、動物園の枠を超えた社会教育の場所です。