のりさんが展開している放課後ディの一つ「アインシュタイン」を訪問したのは2年ぶりでした。シドニーの中学校時代の同級生がつながっていることを知って、二人で訪問することになりました。自閉症アーティストとして大活躍のGAKUくんの個展のさなか、貴重な時間をいただきました。入った途端に明るくワクワクする放課後ディは4割のスタッフが保護者という当事者意識を持ったみなさん。そしてディは採光を意識して壁を抜いたりして明るく保たれています。つい子どもたちが「通いたくなる仕掛け」が所々にありました。
例えば、「パックマン」のゲーム機。アマゾンで6万円ほどで購入できるそうです。ゲームは色々な個性を持つ子どもたちが夢中になります。例えば「座りなさい」「じっとしていなさい」という療育よりもゲームを通して「目標を立てる」、「ミッションを遂行する」、「チームでうまくやっていく」、「コミュニケーションを取る」そして「じっとしている」ということが自然に叶っているそうです。ゲームは目で見て、手先を使い、脳で判断するという作業の連続なので、「感覚統合」にも良いとのことでした。
思わず大人の私たちもやってみたい!と思えるようなVRや、押入れを改造してできた、ユーロカートなど、ここは本当に福祉施設なのか?!と目を見張るほどです。ここに通うことが楽しすぎて、それが力になり、「不登校がなおってしまった by のりさん」子どももいるというのは納得です。
一緒に行った同級生は大学で社会福祉学の教授として、障がい者支援や福祉について専門にしています。株式会社アイムは「障害福祉サービス」事業者としてグループホームまで展開していて、これからは老人の自閉症の方のためのグループホームや、性教育とサービスについても考えていました。性教育は、「こうするべき」の理論を唱える人はたくさんいるけれど、実際に「ではその子たちの性欲はどうするか」という具体的な解決方法がなく、それが多くの犯罪につながりやすいとも言われています。そこを色々な方と連携して解消する方法を考えているとのことでした。
2年ぶりに合ったGAKUくんはもうすぐ20歳。背が高くなり、おしゃれをしていて、500点もの絵画の作品を創造していました。目はくりっとしていて、口は笑っている原色カラーベースの動物の絵は、気持ちが和みます。また季節に応じてその時の心境が描かれている絵画もあり、表現力の幅に驚きました。ブランドとタイアップしてできたトートバッグはあっという間に完売してしまうほどの人気ぶり。GAKU君を支えているCOCOさんや、のりさん、お母様、その他色々な形の支援があっての今だと感じました。
GAKUくんの個展は4月11日まで世田谷美術館で開催されています。元気をもらえること間違いなしで、ぜひSDGsアーティストの絵画を鑑賞しに週末に家族にお出かけされてはいかがでしょうか。これまで縁のなかった「福祉」の分野と学習スタイルコーチングメソッド、何かお役に立てることはないかこれからも模索してまいります。
GAKU Setagaya
2021 2021年4/7(水)〜4/11(日)
10時~18時(最終日は10-14時)
世田谷美術館 詳細:http://blog.livedoor.jp/gacchan_blog/
*「自閉症アーティスト」という名称は主催者の方の表現を参照しています。