マインドフルラーニングがお伝えしているメソッドの「学習スタイル診断」は子どもや私たちの強みを可視化するツールの一つです。「幼いうちから子どもの強みを発見しよう!」、「その子のスタイルに合った声掛けや提案をしていこう!」、と講座で紹介しています。参加者の皆さんには講座内のアイデアを何か一つ持ち帰っていただいて教育の現場やご家庭で学習スタイルの実践をお願いしています。講座中に聞かせいただく心配事や質問の中に以下のようなものがあります。「学習スタイルが大切なのはわかるけれどその子らしくのびのび育ててしまったら、理解のある大人ばかりではないので、厳しい社会でやっていけないのではないか」、「しつけをしないと子どもが将来困るのではないか」というご意見です。既に社会に出て、色々な価値を持った人間とうまくやってきた大人の皆さんだからこそ、かわいい子どもには苦労をかけたくないと、先を心配する気持ちはわたしも3人の子どもの親として理解できます。

そんな時にはPBLとマンツーマンコーチングと学習スタイルで運営していたオンラインスクールの生徒のことを思い浮かべます。20年あまりで1000人ほどのご家族とご縁をいただきました。登校義務の全くない学校でしたので、「ホームスクールで勉強すると社会性が身につかないのではないか」、「自由すぎるとちゃんとした大人にならないのではないか」、「年齢相応の勉強をしなくて大丈夫なのか」というようなご意見をいただきました。一般的な学校ではない学びの選択肢を選んだ時に一番初めに出てくる当然の心配です。

そこでお伝えしていたのは、私の伴走してきた経験と、マズローの欲求段階説の理論です。家庭が「安心安全」の基地であると、次第に子どもの欲求が満たされ、次は「誰かと一緒に協同したい」、「社会に貢献したい」、とその欲求段階が上がってくるというものです。例えば家庭や学びの場で自分らしく振舞っている子どもは一旦は学校から離れて自信を失ったとしても、すぐに立ち直っていく力(レジリエンス)がありました。自分らしく輝いていく姿には、スタッフも励まされました。一旦は何もやりたくなくなって引きこもっている状態であったとして、担当コーチと信頼関係を築けば、あとは子どもの興味や関心や「好き」を通して、学びを始める力が湧いてきます。長い場合は1年かかる場合もありますがご家庭が安心安全の基地である限り確実に回復していました。

自分の考えた方法で学び単位取得をするという学校でしたので、それらの成功体験を積み重ねた後に、「やりたいことのために数学は必要だ!」と気が付いて自らが苦手だった科目に挑戦するようになった生徒もいます。9年間学校に行っていなかった生徒が、高卒認定(旧大検)に自ら挑み、大学進学を希望したこともあります。つまり、子どもが子どもらしくいられることは、一見遠回りに見えるかもしれませんが、実はどんな「しつけより」も主体的な子どもに育つ一番の近道なのです。「自分らしさ」が認められてきていれば、社会に出ても相手を認めることが出来たり、どんな環境に置かれても、自分なりに考えて解決しようとするようになる姿を見てきました。これまでとは違う子育て人育てには勇気が必要になりますが、まずはご自身の周りを安心安全の場にすることを心掛けてみてください。(そのノウハウは学習スタイル認定コーチ養成講座でしっかりとお伝えしています

お顔出しOKの皆様と

本日の学習スタイルのオンライン講座は2時間余りでしたが、「学習スタイル診断を通して自己理解が深まれば、社会に出て異なる価値観と出会った時にも柔軟に対応出来ることが分かりました」という感想をいただきました。冒頭の疑問「しつけが先か、自分らしさが先か」に見事に答えていただいたものだと感じました。あと数年もすると、日本中の学校やご家庭で「うちの子の学習スタイルはピクチャー型だから、こんな風に見守っている、声掛けをしている」、「あの生徒は思索創造型だから、注意する前に何を考えていたか聞いてみよう」というような会話が一般的になるでしょう。それを願いながらこれからも毎月のオンライン講座や、研修を続けてまいります。以下は本日のご感想より。

  • 自己理解が自己受容につながり、一人一人の幸せにつながっていくと感じました。まずは自分を知ることから、周りとの関係性を考えながら、一人一人を大切にかかわっていきたい。
  • 学習スタイル診断は自己理解、相互理解に役立つツールだと改めて実感しました。 自分と他者との間で違いがある事を受け入れ理解し、接し方や話し方を工夫しようと思います。
  • 自身の学習スタイルを知ることが自立、自律につながるという説明がとても共感できました。強みを生かすことはできた!という成功体験の積み重ねとなり、成功体験の積み重ねが幸福な人格を形成すると思います。
  • 今は珍しくないけど、学校の学びが合わないからフリースクールに変えるなど自由な教育が、そんな前からあったということに驚きました。
  • 気質は持って生まれたもの。こうしたいのにできない、もっと自由に発信したいのにどうしても先に熟考しまうのは、そういう気質だから ということがわかりました。
  • まずは親子で学習スタイル診断を受けてみたい。それから、勤務校での自分の授業で様々なスタイルの子が楽しめる活動を用意するよう今以上に意識する。明日のクラスの時間でこの話をします!

今後のマインドフルラーニングのオンライン講座予定はこちらからご確認ください。皆様とお目にかかることを楽しみにしています。