【ただ知らないだけかもしれない、という視点】

オンラインで全国から集まったエクゼクティブのコーチングトレーニングをしています。業種や現場の解決したいニーズによって研修の内容は様々なのですが、とある会社が2年以上幹部候補の研修を続けた結果、当初目指していた導入目標である「自走する組織」に近づいてきました。社長のトップダウンではなくて、スタッフ一人一人が自分事として日々の問題を解決する習慣がついてきたのです。

集合研修のほかに社内コーチとして育成したAさんは、幹部の中では他の人と違った意見や視点を持つことに価値を置いていて、人の感情に寄り添うのが上手なタイプでした。研修を始めた当初は自分らしさが発揮できていない、社内で認められていないと感じることもあったのですが、社長の了解を取って社内コーチに適任だと声をかけ、伴走をしたところ、元々持ち合わせていた他人に寄り添う素質と学びへの意欲の集大成として個々に合った人材育成を手掛けるようになりました。Aさんがコーチングをされている部下の様子が変わってきているのを目の当たりにして、感慨深い気持ちなりました。同時にAさんのように私たちは伴走してくれる人がいないだけ、強みを伸ばせない環境だっただけかもしれません。そしてコミュニケーションの取り方や問題解決の仕方をただ教わっていないだけ、「知らないだけなのかもしれない」と感じるようになりました。つまり「知らない」を悪いことではない、に変換して伴走をするとグングン伸びるということです。これは子育てでも同じことが応用できます。

社会に出て入社した会社には集合研修があり社会マナーをはじめ基礎知識を教わる数か月やOJTなどのプログラムが用意されています。ある程度学んでからいよいよ現場デビューという段階があっても緊張するものですが、子育ては赤ちゃんが生まれたら有無を言わずに一晩にして「母親」や「父親」になります。不安や緊張、どうしてよいのかわからないという気持ちは自然で、とにかく暗中模索の子育てが始まります。

昔と違って核家族化は進んでいて特に都心部では気軽に相談できる近所の○○さん、のような存在がいなくて孤立した子育てとなることもあります。共働き、と言っても男女が平等に家事と育児をする家庭はまだまだ少なくて、仕事の上にさらに子育てや家事がのしかかる母親は心身ともに疲れ果てていますがそれでも母性は強く、愛情を子どもに注ぎ続けます。学校で子育てを学ぶわけでも、親のためのトレーニングはありませんので自分の親からしてもらったように(もしくは反面教師として)子育てをします。子どもが自分と同じタイプであれば子育てに疑問を持つことはないかもしれません。私のところに相談に来てくださるお母さん方はの多くはお子さんとご自身のタイプが全く違う傾向にあります。

そんな時に伝えていることは「お疲れさまでした。そして親としてトレーニングを受けてきたわけではないから、気が付いた’今か’ら始めましょう。知らなかったことは悪いことではありません。今から何ができるかを考えていきましょう」です。知らなかっただけ、というところに立っている方の変化は早いです。どんどん学んだことを応用して子育てや仕事に活かしていきます。実践してみて失敗したら検証し、修正する、その繰り返しが習慣になるのです。一方で中々変化しない方もいます。ご自身がこれまでの人生で未解決の問題を抱えていて、そこが起点や価値観となっていて、自分の物差しを持ったままで身動きが取れません。コーチングや学びの状態にないと感じたときにはカウンセリングをお勧めします。そして自分の未解決の問題を解決してから学び始めましょう。

もし子どもが問題を抱えていると気が付いたら一旦止まって観察をしましょう。「今何か考えているのだろうか?」「何か引っかかっていることがあるのか?」それともやり方を「知らないだけなの?」と、色々な方向で考えてみます。そして次のステップを選択するのです。冷静に対応をすると子どもの心のドアが閉じるような声掛けをすることが少なくなります。結果、「またやってしまった」と自分を責めることも少なくなります。もし子どもが「ただ知らない」という状態だったら、優しくそっと教えてあげたり、解決できるような環境に変えたり、選択肢を見せてみましょう。冒頭に紹介したAさんのように、安心した伴走者がいて、自分らしさを発揮できればきっと子どもは自分で考え自己解決をするようになります。子どもは唯一親に無限の愛情を注いでくれる存在でもあります。子育ては大変な苦労もたくさんありますがそれ以上の喜びや無条件の愛情を体験できるかけがえのない時間でもあります。そんな視点を日々疲れたときに思い出してください。

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