【ヘルプしすぎるたった一つの心理と6つのステップ】

子どもが怪我をするのがいたたまれないのでつい「前を見て歩きなさい」とか「靴の紐はしっかり締めた?」と先回って声掛をします。成績が悪くてがっかりする子どもの姿をみるのがつらいので「勉強しなさい」と声をかけるのも同じような心理が働いているといえます。母性はもともと子どもを危険から守るためにある本能と言われているので「ヘルプ=先回りの声掛け」は当然だとも言えますが子どもが気が付いて自分から学ぶ機会を取り上げている可能性はないでしょうか。一緒に振り返ってみましょう。

「失敗をさせることこそが教育だ」といわれています。転べば痛いのは嫌なので子どもは自然に歩き方に気を付けるようになります。成績が悪くて悔しい思いをすれば「がんばろう」という気になるかもしれません。大人の私たちも他人から「○○しなさい」といわれるよりも自分で気が付いた時に初めてやる気になることがないでしょうか。大人になって学ぶ勉強は楽しいといわれるのは、誰に押し付けられるでなく、自分に必要で興味のある内容を自分のやりたい方法で学べるからでしょう。この記事はつい「ヘルプ=先回り」したくなる心理にはどんなものがあって、そのためにはどうすればよいかを6つのステップで考えてみます。

最近起こった我が家の例で説明します。先日大学生の息子が久しぶりに帰省して友人と遊びに出かけました。夜中に帰宅してから道中で寮の鍵をなくしたことが分かり大騒ぎになりました。その大騒ぎを知らなかった私は翌朝なかなか起きてこない息子のことを心配し始めます。「夜中過ぎに帰宅したから疲れているんだろう」と考えましたが一度朝食時に声を掛けました。反応はなくとうとうお昼になってしまいました。昼食時に声をかけても起きてきませんでした。「何かあったのでは?」と不安が募ります。お昼を過ぎてしばらくして息子が起きてきました。「どうしても寮の鍵が見つからない!」とイライラした様子でつぶやいて、話を聞く体制にいた私を横目にご飯を食べずにさっさと自分の部屋に戻ってしまいました。その後ほぼ24時間何も食べずにひたすら寝ていたのです。以前でしたら、朝の時点でたたき起こしてご飯を食べるように促し、ぐずぐずとしている理由を問いただしていたでしょう。それは落ち込んだり不安になっている息子を見ると私自身の心が揺れ、つらいからすぐに解決してスッキリしたかったからでした。問題を抱えていたのは息子なのに、その問題を母の私も抱えてしまい、結果抱えきれないのですぐに解決したいという心理が働いていたと言えます。

今回は息子ではなく自分自身感じている不安に気が付き様子を見てみることにしました。24時間全くご飯を食べない育ち盛りの息子の寝たままの状態は耐え難い気持ちがしました。「無気力になってしまったに違いない」とか「どこか具合が悪いんだろうか」「友人と会ったときに嫌な思いをしたのではないか」しまいには「このまま大学を辞めて引きこもりになると言ったらどうしよう」などと、いま思い返すとおかしいほどに心配が膨らんでいきます。これは彼の問題ではなくて私の中の不安だということを認識していました。つい理由を問いただしたくなったり、何か先回りしたくなった時はその時立ち止まって自分の中に何が起こっているのか自問自答することがお勧めです。このケースでは自分の中の不安に気が付くことで待つことができました。

結論から書きますと息子は夜の21時ごろ起きてきて食事を食べながらぽつりぽつりと話し始めました。寝ていたのは大切にしていた寮の鍵をなくして落ち込んでいたからで、心当たりの先々に電話をしても見つからなかったこと。鍵の代償金35000円は大きな出費であること。1時間余り経ったでしょうか。話を聞いていて改めて「待ってよかった」と思いました。懸念していたような「人生に絶望していた」という状態とははるかにかけ離れていました。がっかりしたり落ち込んだことをしっかりと体験させてあげることは感情処理や感情の扱い方を学ぶのには大切だという貴重な経験になりました。

翌朝すっかり回復しいつもの息子に戻っていました。鍵のこともお金は払うしかないと自分の中で割り切っていました。誰の力を借りることなく、方々に電話して探し、寮長さんに相談し、自分で解決していました。これを親自身の都合や不安でああしろこうしろと邪魔をしてこじらせていたら彼の自己肯定感や私との信頼関係は崩れていたかもしれません。つい先回りしたくなる心理は母性として自然なことですが、失敗を見守ることが子どもの自己肯定感や自立につながります。子どもが落ち込んだり困ったときに親としてしたい対応の6つのステップは以下の通りです。

  1. 子どもの様子を観察する
    自分で何とかしようとしていない?病気やケガではない?そっとしてほしい?どうしてほしいと思っている?
  2. 待ってみる
    自分で対応できるに違いないと信じて待つ
  3. 手を差し伸べる前に親自身の気持ちや不安に気が付く
    大きなことになりそうで心配とか不安などという自分の気持ちにフォーカス。
  4. 他に目を向ける。
    子どもにスペースを与えるために自分自身が楽しめるもの、ビデオ鑑賞、買い物に出かける、運動するなど心がける
  5. 不安が抱えきれない場合は家族や信頼のおける友人に相談してみる
  6. 子どもが助けを求めてきた時に初めて一緒に解決法を考える。

我が家の場合は夫にメッセージで相談をしたら「気のすむまで不貞腐れさせればいい。そのうち回復するだろう」という返事が来て勇気づけられました。この経験を糧に息子は今後は鍵の管理は注意を払うでしょうし、自力で解決できたという自信がその後の人生での問題解決のヒントになると信じています。そして私自身も親としてまた一つステップアップした誇らしい気持ちになりました。

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