【実践編:家族で哲学対話】

2020年を迎えました。マインドフルラーニングでは引き続きコーチングを軸とした「幸せな自立」を目指す子育て、人育てのヒントやアイデアとなるコラムやサービスを提供します。2020年後半からは講座やワークショップも開催しますので多くの皆様にお会いできるのを楽しみにしています。皆さんの笑顔が増えますように。今年もどうぞよろしくお願いいたします。


年末年始全国に散らばっていた家族が集まった。家族が揃う時はモノポリーなどのボードゲームやトランプでおもちゃのコインをかける’ブラックジャック’をするのが恒例だが、今年はどうしてももう一つ行いたいことがあった。それは「家族で哲学対話」だ。今回はぜひこの記事を読む皆さんのご家庭でも実践していただきたいと「家族で哲学対話」を紹介する。そもそも哲学対話とは何だろうか?

子どもたちの思考力を養うために70年代にアメリカで始まった「子どものための哲学」に由来する。 それは、哲学者の思想を教えたり抽象的な問題について議論したりするのではなく、各人が一人で思索にふけるのでもない。 身近な問いから出発して、グループで一緒に問い、考え、話をしていくものである。」

-梶谷真司氏

私たちは社会でも学校でも評価も判断もされずに自由に自分の気持ちや考えを話す機会がない。抽象的で普段は話題にしないことを1時間、安心安全の場で自由に話してみたらどうなるだろうか?早速決行するために大晦日の地元のお蕎麦をいただいた後、家に戻りリビングで輪になって座った。

まずは「哲学対話とは?」の説明からスタート。共通の疑問について一緒に考えて話して聴くこと、それは安心安全の場で自由に「わからないこと」を探求すること。わからないことをどんどん増やすこと、などを伝える。

その次は「哲学対話のルール」。梶谷真司先生の「考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門 」を参考に9つのルールを説明。

  1. コミュニティボール(毛糸で作った大きなボール)を持った人だけが発言できる。
  2. 何を言ってもいい(間違いとか正解はない)
  3. 人の言うことに対して否定的な態度を取らない
  4. 発言をしなくてもいい。ただ聴いているだけでもいい。
  5. お互い質問しあう(そもそも?、二つの違いは?具体的に言うと?反応は?他の考えは?なんで?立ち場が変わると?要するにどういうこと?)
  6. 本で知っている知識や人から聞いたことではなくて自分の経験で話す。
  7. 話をまとめない 
  8. 途中で意見が変わってもOK
  9. 分からなくてもいい、答えはない。何の話か分かりませんというのもOK

まだピンと来ていない雰囲気なのでアイスブレークに口慣らしの「シャベリカ」トランプを使って引いたカードに書いてあることを自由に語る。

「一億円持っているとしたら?」「夕ご飯のおかずならこれ」「理想のプロポーズ」「離島に一つだけ持っていくとすると」など、正解のない質問に答えていくとなんとなく哲学対話の導入がつかめてきて場が温まった。

そしてようやく話し合いたい「テーマだし」に入った。家族全員でそれぞれ話し合いたいテーマをA4用紙に書いて発表。「天国ってあるの?」「家族ってなあに?」「あなたにとって大切にしているものは何ですか?」「日本人って何がすごいの?」「次の最新ゲーム機器は何?」の中から、全員の投票で「家族ってなあに」に決定した。(私が提案したテーマである!)

 

テーマが決まり「さぁ、対話」の前に少人数に分かれて問いだしをした。まずは少人数で話し合うことで口慣らしになるからだ。自由に話してもいいなんて経験をしたことがないだろうから、口慣らしにいろいろな仕掛けは必要だ。問いだしとして「家族ってなあに?」についてどんどん聞いてみたい質問を挙げていった。Aチームからは「どんな時に家族って思う?」「何があると家族なんだろう?」「家族になるためには多くの時間を接する必要があるのか?」「一緒に住まなくても家族と呼べるのか?」「家族愛と恋愛って違うのか?」「友人と家族の違いは?」「家族は必要か?」「家族はいつも一緒にいなければならないか」「血がつながっていなくても家族といえるか」というすぐにでも答えたくなるような問いが続出。Bチームからは「家族と家族じゃない人の違い」「家族の基準は?」「家族になるメリットは?」「家族でよいと思うことは?」「家族は同じ家に住むべきか?」の問いが出た。お互いに出た問いを発表しあって、話したくなった人からコミュニティボールを手にして語り始めた。

我が家のコミュニティボール

1時間あまり対話で血のつながりがあっても家族でない場合、血のつながりがなくても家族であること、友人と家族の違い、家族っていろいろな影響を与えるから怖い、事実婚について、などなど、時間を重ねるごとに深まる対話。中には「ママとパパは結婚するまでどのくらい付き合っていたんですか?」というような無邪気な質問も飛び交い、時には血のつながりがない「夫婦」という関係はどうやって家族と呼べるのか?と核心を突くような質問がでたことも。あっけらかんと子どもが「二人が愛し合っていればいいんじゃない」と答えたり。お互いをけん制したり笑い飛ばしたりすることなく対話を重ねた。

対話はリラックスした雰囲気で


1時間たってから最後のチェックアウト。それぞれの感想は「家族」について考えることがなかったので信頼関係が大切だとか、家族の基準はそれぞれだけれども帰りたいと思える場所があれば幸せ、家族は一緒にいることで意味があると思った。血がつながっていなくても家族って呼んでいいんだと思った、とか信頼関係が強いほど良い家族っぽい。困ったりしたときに飛び込める安心シェルターのような場所・人・関係、という意見が出た。正解のないものをとことん話すと自由な意見が出てくる。

大晦日のわずか2時間でできた家族の哲学対話。その後はなんとなくお互いを尊重する雰囲気が流れてよい年明けを迎えることができた。子どもがどうせ理解できないから、とか、あの人は頭が固いから、とかいろいろと家族の事情はあるかもしれないがぜひ一度2時間でできる家族の哲学対話をご家庭でも行ってみてください。ご要望があればご家庭までファシリテーション役で伺います。お申し込み・お問い合わせはこちらから

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