【さかなクンに学ぶ子育て3つの秘訣】

NHKの『あさイチ』にさかなクンが出演していて興味深く話を聴いた。学習スタイルで言うと気質は『発明型』や『思索創造型』、優位感覚は『ピクチャー型』と分析しながら考えていた。さかなクンのエピソードは実に興味深い。幼少期から熱中する対象があると寝食を忘れるほど没頭し、学校の勉強もそっちのけ。テストはちんぷんかんぷんなで余った時間で魚の絵を書いて提出。のちにTVチャンピオンで全国魚通選手権で一回目は準優勝だったものの視聴者の熱い要望でカムバック。その後5回連続のグランプリを獲得した。学業は専門学校に入学後に紆余曲折を経て好きが高じて魚アーティストとなり、のちにTVパーソナリティとなった。TVで活躍する傍ら幻の魚クニマスの生息確認に貢献し、東京海洋大学の名誉博士を与えられた。

『さかなクンがさかなクンでいられた理由は何か』について純粋な興味がわいた。突き抜ける興味を持つ子どもたちにはこれまでもたくさん出会ってきたが、「できないところをできるようにする」という周りの意向で本人の意欲や才能が潰されて2次障害を発するような場合も多く見受けられたからだ。さかなクンになったその背景には彼を取り巻く大人の存在、とりわけ一番近くにいるであろう母親の存在が大きいだろうと想像していたが正にその通りだった。

さかなクンの子育てには3つのヒントが隠されている。一つは好きなことをとことん応援すること。2つは子どもを信じて待つこと、3つ目は失敗をさせて見守ること、である。


【待つこと】:さかなクンの自叙伝ともいえる「さかなクンの一魚一会(いちぎょいちえ)」には、幼少時代はまずは泥団子づくりにはまっていた幼年期が紹介されている。砂場に一周ぐるりと112個の泥団子を置くまで帰らない、というエピソードがあった。そんなさかなクンを急かすことなく夕方までじっと待っていた母の姿を本人は鮮明に覚えているそうだ。

【子どもの『好き』を応援すること】:次にさかなクンがハマったのはトラックやゴミ収集車。学校から帰宅した子どもを助手席に座らせ目をつぶらせてゴミ収集車が集う場所に連れていき、サプライズで目を開けさせてプレゼント。日が暮れるまでゴミ収集車一台一台を堪能するのを終わるまで待っていた母。好きをとことん応援する姿勢を感じる。

その後も何度も母はさかなクンのために水槽を買って果てには畳が沈むくらいの水槽が家にはたくさんあふれたという。学校の先生には『絵と魚は詳しいがそれ以外はダメ』と指導されても「できる子もいればできない子もいる。好きなことをとことんさせたい」と訴える。その言葉を今でもさかなクンは覚えているのだ。


【失敗をさせること】:次の興味は学友の描いたタコの絵をきっかけにタコが好きになった。寝ても覚めてもタコのことを考え絵を描いていたところ友人のおじいさんがタコ取り名人で初めての釣りに連れて行ってもらう。獲ったタコを家で飼おうと決意する。タコを飼うことは誰も信じてくれなかったのだか、母だけは信じてくれた。結局獲ったまま疲れて寝てしまったのでタコは死んでしまうのだが、母は手を出さずにそのまま見守った。命をもって失敗を学ばせたのだ。

ウマズラハギが好きになって家で飼いたくなり、お母さんに連れて行ってもらった料亭の水槽のウマズラハギ。持って帰るから一匹ください、と交渉をしたのはさかなクン。そして出てきたのはビニールに入っていたウマズラハギではなくて刺身になってしまったハギだった。大泣きするも、そんな失敗も母はあえてさせて後ろから見守っていたという。さかなクンは命の大切さをこういったエピソードで学んでいくのだ。

さかなクンはたまたま良い大人やお友達に恵まれていたかというとそうでないことが分かる。『さかなバカ』といじめていた友達も、さなかくんの描く絵に魅せられ釣りに連れて行ってもらうようになるのだ。水族館でバイトをしたときも、組織的遂行型(ルーチンなどが苦手)ではないさかなクンは大失敗ばかりしてしまう。当然周りの大人からは怒られるのだがそれ以上に魚が好き、という熱意と純粋さに次第に周りから受け入れられている様子も伺える。

さかなクンのように突出した「好き」や得意があったら『サポートできる、でもうちの子は何もないんです』、、という意見もあるだろう。本当に何もないのだろうか?子どもが時間を立つのも忘れる遊び、活動はどんなことだろうか?その活動がイイとか悪いとか判断せずに、まずは観察することを勧めたい。その活動が将来どんなことにつながるかわからないからだ。親の「こうなってほしい」という要望ではなく子どもが持つ「興味関心」こそが学びのモチベーションなのだ。子どもの学び方の気質、優位感覚、興味関心、学習環境や才能を知りたい方は学習スタイル診断を受けてみることを勧める。お子さんの学び方を知る前にお母様お父様自身の学び方を知ることが第一歩。親子でこの夏に自分らしい学び方について考えてみませんか?
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